9/14 雑誌『5』販売と大学院入試説明会をINSTeMコンベンションで!

あっというまに2024年も9月になってしまいました。

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

さて、私がサブディレクターをやっている(財)INSTeM(Inter-field Network for Science, Technology, and Media Studies)が、9月14日(土)午後、関西大学梅田キャンパスとの共催でINSTeMコンベンションAutumを開催します。詳細については、こちらをご覧下さい。

INSTeMコンベンションがどんな雰囲気のものなのかは、2024年春に開催された第1回コンベンションの映像記録があるので、これをご覧いただくのがよいかと思います。

今回のINSTeMコンベンションにはビジネスからテック、市民社会にいたるさまざまな領域で「大人のためのリテラシー」に実践的に取り組む14組の出展者がそれぞれのブース展示やワークショップをする予定ですが、私は全体のとりまとめをやりつつ、一方で二つの活動をする予定でいます。

一つは、雑誌『5:Designing Media Ecology』の販売です。

5: Designing Media Ecology, 2nd Phase 1st issue, 2024.

2014年からスタートした日英バイリンガルのこのリトルマガジンは、途中で約5年の休止期間を経て、この春、INSTeMの雑誌として第2期第1号を刊行できました。特集テーマは「間(あわい)の思想:Philosophy of In-Between」です。9月14日にはこの最新号、およびバックナンバーを販売する予定です。オンラインでの購入もこちらから可能ですが、当日お時間おありの方は、ぜひお越しください。当日は、佐倉統さん、村田麻里子さん、毛利嘉孝さん、松井貴子さんなど、編集室の人間が一堂に会します。いろいろお話ができればと思っています。

もう一つは、私がいる関西大学大学院社会学研究科メディア専攻の入試説明をするというものです。コンベンションの主旨からいささかズレ気味ではと思われるかもしれませんが、大学院メディア専攻は「理論と実践」「表現と分析」を往復しながら学ぶ場所であり、まさにINSTeMコンベンションにご参加いただけるような方に入学してもらいたいと考えています。当日は村田麻里子さん、松下慶太さん、劉雪雁さん、そして私という4名の教員のほか、現役院生がおります。どうかお気軽にご参加いただければと思っています。

ちなみに私からの受験者のみなさんへのメッセージはこちらをご覧くだざい。

2023年度の水越ゼミの出席者

INSTeMコンベンションは、事前登録が必要で、その際に参加費(一般2,000円、学生1,000円)が必要となります。くり返しいえば、こちらをクリックしてもらうと参加申込が出来ます。

関大梅田キャンパスは大阪梅田駅至近。当日は夕方からパーティも予定しています。

どうかお誘い合わせのうえ、お越しください。お待ちしています。

以上

第4回 メディアスタディーズ・フォーラムのお知らせ

テーマ:
今のゼミはこれでいいのだろうか:
変化する大学、メディア環境のなかでの学びの共同体のゆくえ

関西圏でメディア、ジャーナリズム、コミュニケーション、文化研究などに取り組む人々がゆるく集うことができる機会を設けようとしてはじまったメディアスタディーズ・フォーラム(MSF)。

第4回目は、ゼミのありかたやその可能性と課題について報告をしてもらい、語り合います。

第4回 メディアスタディーズ・フォーラムのテーマ

長い間、ゼミ(独語ゼミナールの略語)は日本の文系学部教育のコアをなし、英米系で言う「セミナー」とは異なる、独特の濃い学びの共同体として機能してきました。

しかし就活時期の早まり、サークル、アルバイトやインターンなどの中での相対化、なにより新型コロナ禍などによって、近年、ゼミのあり方は大きく変わってきてはいないでしょうか。
その変化に対応して、このフォーラムの関連領域では、フィールドワークやワークショップの導入、メディア作品の制作や実践への参加などに取り組むゼミが多くなっています。一方でジェンダーバランスや留学生の受け容れ方、メディア・ビジネスとの関わり方、卒論の位置づけなどの課題もあるようです。

いずれにしても私たちはゼミの問題は研究とは別のことと考えがちで、同僚との雑談でしか話題にしない場合が大半ではないでしょうか。しかしこれは未来の高等教育をいかに(リ)デザインするかという、それ自体重要な研究課題だといえます。

今回のMSFでは、おもに学部のゼミに焦点をあて、伊藤高史、畑仲哲雄、劉雪雁という相対的にアプローチが異なるお三人から、それぞれのゼミの現状、可能性や課題について率直なところを報告していただき、飯田豊さんの質疑を皮切りにみなさんで議論を展開していきたいと考えています。

大学教員の方も、将来そうなることを志望している方々も、現役の学生さんも、どうかふるってご参加ください。

今回もハイフレックス開催。

対面参加者のみなさんとは終了後にお食事会を開催したいと思います。

参考:
伏木田稚子『ゼミナールにおける汎用的技能の習得:探究に基づく共同体的な学習環境の価値』 風間書房、2021.

日時:4月20日(土)15時から17時30分まで

登壇予定者:
伊藤高史(同志社大学)
劉 雪雁(関西大学)
畑仲哲雄(龍谷大学)

司会&討論者:
飯田豊(立命館大学)

ファシリテーター:
水越 伸(関西大学)

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3/9-10:INSTeMコンベンション「大人のためのリテラシ−:これからの知恵と技法を考える」開催

私が関わっている(財)INSTeMが、3月9日(土)10日(日)、東京大学本郷キャンパス福武ホールにおいてコンベンションを開催します。

タイトルは「大人のためのリテラシ−:これからの知恵と技法を考える」

オーディエンスとしての一般参加者とともに、アートやデザイン、企業教育、まちづくり、環境保全、メディア・プラットフォームまで、さまざまな領域でリテラシーに関わる実践やプログラムを展開してきている人たちに出展をお願いしたく、その広報を開始しました。

私は長い間、「リテラシー(Literacy)」という言葉を、文字の読み書きという営み(あるいは能力)と、その比喩であり応用であるメディア・リテラシーに限って用いるべきだと考えてきました。リテラシーとは、文字という記号体系の理解や活用のことを指す言葉なので、たとえば科学リテラシーや環境リテラシーといった用語は論理的におかしいと思ってきたのです。

例外は金融リテラシーで、それは貨幣も言語同様の記号体系だからです。しかし、英語ではリテラシーに対してニューメラシー(numeracy)という単語があり、それを使えばよいではないかと思ってきていました。

ただ、科学技術、環境、金融その他の領域でリテラシーに取り組んでいる人々の考え方や活動に接してみると、それぞれリテラシーという言葉を使いたくなる、あるいは使わざるを得ない事情があることがわかってきました。

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『メディア教育宣言:デジタル社会をどう生きるか』発売

デビッド・バッキンガム『メディア教育宣言:デジタル社会をどう生きるか』(世界思想社)が、2024年11月16日に開始です。

いい本です。装丁もキレイで洒落てます。

ただし個人的には、他人が書いた本の翻訳などしている場合じゃなくて、自分自身の本を仕上げなくてはならない。しかし諸般の経緯から、監訳と解説文を引き受けました。

バッキンガムの俯瞰力と豪胆さは素晴らしい。ただ、日本を含む東アジアには相対的に独特なメディア環境がある。こちらにもそれなりの経験と蓄積がある。

自分の作品づくり、これからがんばります。


I supervised the translation of David Buckingham’s The Media Education Manifesto.

It is a good book. The design is beautiful and stylish.

However, I should be finishing my own book, not translating a book written by someone else. But I took on the job for various reasons, including the commentary.

Buckingham’s bird’s-eye view and boldness are fabulous. However, East Asia, including Japan, has a relatively unique media environment. We have our own experiences and thoughts.

I will do my best to create my own work from now on.

魔改造ワークショップをやりました!

去る7月末、東京大学大学院学際情報学府で「メディアとリテラシーの未来」という4日間の集中講義を行いました。

メディア論とメディア・リテラシーを3つの次元に分けてとらえ、それぞれに対応した3つのワークショップをおこないました。メディアとリテラシーを思弁的にではなく、体感的に深く理解してもらうためです。

第3の次元、すなわちプラットフォームをデザインする次元では、情報学環と学際情報学府という学びの場を魔改造するというワークショップをおこないました。

この度、そのワークショップ・レポートが、学環・学府のウェブサイトにアップされました。

写真撮影とレポート執筆をして下さった柳志旼(ユ・ジミン)さん、どうもありがとうございました。

みんな楽しかったね、また会いましょう!

July 25, 2023, the first day of the intensive course

At the end of last July, I gave a four-day intensive course at the Graduate School of Interdisciplinary Information Studies (GSII) of the University of Tokyo titled “The Future of Media and Literacy.”

I divided media theory and media literacy into three dimensions and conducted three workshops corresponding to each. The purpose was to provide a deep understanding of media and literacy, not speculatively, but experientially.

For the third dimension of designing a platform, I conducted a workshop called “Magical Transformation (Makaizo) of the Interfaculty Initiative in Information Studies (III) and GSII as A Learning Platform.”

A workshop record is now available on the III/GSII website.

Thanks to Jimmine Yoo for taking the photos and writing the report.

Everyone had a great time, see you again!