3/9-10:INSTeMコンベンション「大人のためのリテラシ−:これからの知恵と技法を考える」開催

私が関わっている(財)INSTeMが、3月9日(土)10日(日)、東京大学本郷キャンパス福武ホールにおいてコンベンションを開催します。

タイトルは「大人のためのリテラシ−:これからの知恵と技法を考える」

オーディエンスとしての一般参加者とともに、アートやデザイン、企業教育、まちづくり、環境保全、メディア・プラットフォームまで、さまざまな領域でリテラシーに関わる実践やプログラムを展開してきている人たちに出展をお願いしたく、その広報を開始しました。

私は長い間、「リテラシー(Literacy)」という言葉を、文字の読み書きという営み(あるいは能力)と、その比喩であり応用であるメディア・リテラシーに限って用いるべきだと考えてきました。リテラシーとは、文字という記号体系の理解や活用のことを指す言葉なので、たとえば科学リテラシーや環境リテラシーといった用語は論理的におかしいと思ってきたのです。

例外は金融リテラシーで、それは貨幣も言語同様の記号体系だからです。しかし、英語ではリテラシーに対してニューメラシー(numeracy)という単語があり、それを使えばよいではないかと思ってきていました。

ただ、科学技術、環境、金融その他の領域でリテラシーに取り組んでいる人々の考え方や活動に接してみると、それぞれリテラシーという言葉を使いたくなる、あるいは使わざるを得ない事情があることがわかってきました。

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『メディア教育宣言:デジタル社会をどう生きるか』発売

デビッド・バッキンガム『メディア教育宣言:デジタル社会をどう生きるか』(世界思想社)が、2024年11月16日に開始です。

いい本です。装丁もキレイで洒落てます。

ただし個人的には、他人が書いた本の翻訳などしている場合じゃなくて、自分自身の本を仕上げなくてはならない。しかし諸般の経緯から、監訳と解説文を引き受けました。

バッキンガムの俯瞰力と豪胆さは素晴らしい。ただ、日本を含む東アジアには相対的に独特なメディア環境がある。こちらにもそれなりの経験と蓄積がある。

自分の作品づくり、これからがんばります。


I supervised the translation of David Buckingham’s The Media Education Manifesto.

It is a good book. The design is beautiful and stylish.

However, I should be finishing my own book, not translating a book written by someone else. But I took on the job for various reasons, including the commentary.

Buckingham’s bird’s-eye view and boldness are fabulous. However, East Asia, including Japan, has a relatively unique media environment. We have our own experiences and thoughts.

I will do my best to create my own work from now on.

水越より2024年度大学院進学希望者のみなさんへ

関西大学大学院社会学研究科メディア専攻では、2023年10月と2024年2月に大学院入学試験があります。水越は、修士課程(博士前期課程)、および博士課程(博士後期課程)のいずれの大学院生も受け入れています。

水越研究室でどのような研究ができるのか、いかなる学生に来てもらうことを期待しているかなどといったことについて、Graduate Schoolでくわしく説明をしています。読んでみてください。

Shin Mizukoshi’s Seminar 2023

三つだけ大切なことを記しておきます。

第一に、水越研究室では、日本の大学を卒業してそのまま進学する学生たち、メディアやIT企業などに勤める社会人学生たち、留学生たちの3系統の学生がいます。とくにメディアで働くことが好きで、充実感を感じているものの、このままではなにかがいけないのではないか、そのことを考えるために学びたいと思う社会人学生を歓迎しています。実務家だけれど批判的な意識を育みたい、すなわち「批判的メディア実践者」の方々をお待ちします。

第二に、受験生からのメールなどによる連絡にはなるべく返事をするようにしますが、必ず返事をするとは限りません。あらかじめご了承ください。

くり返しいえば、Graduate Schoolをよくお読みください。

受験をするのであれば、身体を大切にして、しっかり準備をするようにして下さい。

水越伸

Shin became President of JAMS for two years

(日本語はうしろ)

I became President of the Japan Association for Media, Journalism and Communication Studies (JAMS).
I was elected as the new President at the Board of Directors meeting of the Spring Conference at Nara Prefectural University in June 2023.
For the next two years, I would like to regard academic society as one medium and do my best to make that medium exciting and interesting.
I would like to do this with the help of the Board of Directors, the Auditors, and the more than 1,000 members.
Thank you in advance for your support.

Workshop “Design for Digital Media Society and User” JAMS 2023 Nara, where Shin attended.

2023年6月になら県立大学で会った日本メディア学会春季大会の理事会で、私は新たな会長に選出されました。
これから2年間、学会を1つのメディアとしてとらえ、そのメディアが刺激的でおもしろいものになるように力を尽くしていきたいと思います。
理事・監事の方々や千名を超える会員のみなさんのお力を借りながら進めていきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

Two articles on platforms and AI literacy were out!

Two anthologies to which I have contributed have recently been published. In both articles, I discussed reflective workshops I developed, thinking about how we metaphorically understand platforms and AI. I thank the editors for allowing me to publish them.

I believe, however, that it is not enough to decode and understand platforms and AI but that it is necessary to find approaches for practical intervention by citizens. I intend to discuss this thoroughly in my forthcoming monograph.

“Reading Aloud Terms of Use: A Workbook for Understanding Platforms” (co-authored with Masahiro Katsuno), Decoding Platform Capitalism, (2023) Nakanishiya Shuppan.

“Let’s Draw AI!: A Workshop for Developing Metaphorical Understanding of Media,” Understanding AI in Society: How Technology Exerts Power, (2023) The University of Tokyo Press.

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